「玄米は危険!玄米は毒だ!」

玄米にはデメリットが大きいという主張がありますが、これは本当なのでしょうか?

玄米のデメリットとしてよく言われるのが次の5点です。

玄米のデメリット

①消化が悪く便秘や下痢になる
②フィチン酸が栄養素の吸収を阻害する
③アブシジン酸が細胞を傷つける
④おいしくない
⑤残留農薬が危険

これらが真実なら、玄米食は危険ということになります。

この記事では、これら5点について徹底検証しました。

さらに、玄米の欠点を解消して、豊富な栄養効果を取り入れる方法についてもお伝えします。

①「消化が悪く便秘や下痢になる」は本当か?

玄米はむしろ便秘解消に有効なのではないでしょうか?

なぜなら、玄米には食物繊維が含まれているからです。

日本食品標準成分表2015年版(七訂)によると

炊飯100g当たり玄米白米
水溶性食物繊維0.2g0g
不溶性食物繊維1.2g0.3g

このように玄米の食物繊維は白米の約4.5倍となっています。

また、食物繊維の必要量は、日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、18~69歳では1日あたり男性20g以上、女性18g以上が目標とされています。

玄米を御茶碗1杯食べると150g程度なので、食物繊維は2.1g含まれることになります。これを1日2回食べれば4.2g。

玄米だけで、女性なら1日の必要量の約1/4が摂取できてしまいます。

食物繊維は腸内環境を整えるのに有効であることは周知の事実です。それにも関わらず、なぜ玄米は消化に悪く便秘や下痢になると言われるのでしょうか?

それは、食べ方に問題があるからです。

玄米に限らず、何を食べようがしっかり噛んで食べないと消化は悪くなります。玄米は特に固いので30~40回は噛んでから飲み込まないと消化不良になる可能性はあります。

あまりに固すぎる場合は、炊き方に問題があるかもしれません。浸水時間を長くする、水を多めに入れて炊くなどの工夫が必要です。

結論としては、「玄米は消化が悪く便秘や下痢になる」というのは、食べ方に問題があると思われます。

②フィチン酸が栄養素の吸収を阻害する

これもよく言われることのようです。

結論から言うと、フィチン酸が栄養素の吸収を阻害するというのは事実ではありません。

フィチン酸とは、植物の種子や茎、花粉などに含まれるリンの貯蔵形態のことです。

フィチン酸は強力なデトックス効果があるとされていて、酸化の原因となる金属類の酸化を遅らせたり、変色を防ぐので、食品や飲料の安定剤・酸化防止剤として使用されています。

一方で、ミネラルと結合してしまい、体内への吸収を阻害すると言われてきました。

しかし、ウィキペディアには次のような説明がされています。

1980年代以降の知見から、バランスのとれた食事がとれている場合には、そのような悪影響の証拠は発見できない

(引用:ウィキペディア

また、こちらの論文には次のような記述があります。

フィチン酸は抗栄養因子というよりはむしろ,ビタミン様物質であるミオイノシ トールの供給源,あるいはビタミン様物質そのものであると考えられるのではなかろうか。

(引用:フィチン酸の栄養的再評価

抗栄養因子とは、栄養の吸収を阻害するということでしょう。

つまり、フィチン酸は栄養の吸収を阻害する物質というよりは、ビタミン様物質であると考えられるということです。

いずれにしても、普通の食生活をしている限り、フィチン酸の悪影響を心配する必要はないのではないでしょうか。

③アブシジン酸が細胞を傷つける

アブシジン酸とは、穀類に多く含まれる植物性ホルモンのことです。

玄米に含まれるアブシジン酸を摂取すると細胞のミトコンドリアを傷つけるという話がネットで出回っているのですが、これは本当なのでしょうか?

情報のソースを探したのですが、ミトコンドリアを傷つけるという論文を見つけることはできませんでした。

では、なぜこのような情報が出回ったのかについては、こちらの記事が参考になりました。

種子毒(発芽毒)論、つまり、「浸水しない玄米は毒」という説の発端は、彼の販売するフィチン酸とアブシジン酸を含有しない発芽玄米と糖尿病治療の宣伝戦略です。

(引用:玄米の種子毒(発芽毒)論に学術的根拠なし!

つまり、商品を売るためのポジショントークの可能性が高いのではないかということです。

アブシジン酸が農作物にどのように作用するかの研究はいくつかあるのですが、アブシジン酸の人体への影響についての論文は見つけられません。

アブシジン酸は玄米に特有の物質というわけではなく、種子植物に広く存在するわけですから、フルーツやナッツにも含まれています。

なぜ玄米だけが危険と言われるのでしょうか?

しかも、ヒトはアブシジン酸を不活性化する酵素を持っています。

(出典:静岡大学農学部応用生命科学科 直物化学研究室

ネットに出回っている情報は信じてはいけないという見本のようなケースに思えます。

もちろんこの記事も簡単に信じるのではなく、ご自身で判断してほしいと思います。

④美味しくない

硬い、ボソボソする、プチプチした食感がイヤ・・・

玄米は美味しくないというのをデメリットに感じている人は多いです。

これは人それぞれの好みで、デメリットと感じる人もいれば、「プチプチの食感がいい!」と感じる人もいます。

一度玄米の食感に慣れると、逆に白米は物足りなく感じてしまうという人もいます。

玄米は良く噛んで食べると、甘味もしっかり感じるし、噛むのに時間がかかるので、満腹中枢が刺激されて、少ない量でも満足感があります。

結果的に食べる量が減ってダイエットにつながるかもしれません。

玄米を良く噛んで食べていると、たくさん食べられないことを実感するでしょう。

美味しくないというデメリットを解消できるかもしれない玄米の炊き方をこちらの記事にまとめました。

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⑤残留農薬の問題

これは確かに玄米の大きなデメリットかもしれません。

国産の農産物は安全だと思い込んでいる日本人は多いですが、これは幻想です。

実は日本は世界でも屈指の農薬使用国なのです。

2017年のFAO(国連食糧農業機関)の統計によると、日本は耕地単位面積当たりの農薬使用量は世界第5位です。

(出典:日刊ベリタ

不名誉なことです。

フランス・ドイツの約3倍、アメリカの約5倍の農薬を使っている計算になります。

米農家も例外ではないでしょう。

お米の場合、農薬は米糠こめぬかの部分に残ります。精米して白米にすれば残留農薬の心配は低減しますが、玄米を食べるとなると大問題です。

米糠の部分に米の栄養が最も凝縮されているからこそ玄米を食べる価値があるわけですが、その部分に農薬が残っているとなると、栄養がいくら豊富でも食べたくないですね。

残留農薬は玄米にとって確かに大きなデメリットです。

この問題をクリアするには、無農薬で作っている信頼できる農家から直接購入するのがベストです。

田んぼの場合、隣の田んぼと水を共用しますので、隣の田んぼが農薬を使っていれば、意図せず農薬を含んだ水が流れ込んでくることになります。

だから、本当に無農薬と言えるかどうかは難しい問題なのです。

だからこそ、信頼できる農家を探すことが大切です。

無農薬栽培の玄米であれば、玄米の栄養をたっぷり取り入れることができます。

残留農薬は問題ない?

少し前の研究になりますが、愛知県衛生研究所の調査によると、市販の玄米約150検体から検出された農薬の濃度は、食品衛生法の基準値の7%程度という極めて低いものだったそうです。
(出典:米(玄米)に残留する農薬の調理による減少について

この程度なら、そのまま食べたとしても安全性に問題はないということです。

しかし、正直なところ、問題ないと言われても気分のいいものではありませんね。

以上、玄米のデメリット5つとその対処法についてでした。玄米はデメリットをはるかに超えるメリットがあります。自分が信頼できる無農薬玄米を見つけて玄米生活をはじめてみませんか?

玄米の栄養効果・メリットについてはこちらの記事にまとめました。

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